研究内容
原子核は陽子、中性子の2種のフェルミ粒子からなる多体系です。核子数(陽子・中性子の数)はたかだか100個程度で、これらが強い相互作用(核力)で結合しています。原子核の内部は核子密度がほぼ一定で、表面や形といった巨視的な属性があります。
この原子核を「突っつく」ことで揺さぶり、巨視的な回転・振動運動を引き起こすことが出来ます。これは原子核内の核子が集団的に運動するからで、集団励起と呼ばれます。この現象は原子核の基本的な性質を反映するため、原子核物理学の中心的な研究対象になってきました。
ENR グループでは集団励起をはじめとした原子核の励起状態を研究するのに、粒子加速器で中間エネルギー(核子あたり数百MeV)まで加速したイオンビームを用います。近年利用可能になった不安定核ビームも用いて、原子核の新しい様相を探っていきます。
二重ガモフ・テラー巨大共鳴探索実験
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